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映画「セッション」が何とも潔い良作だった

セッション(吹替版)

 

どうも、もぐらです。

 

映画「セッション」を観ました。

 

簡単な感想としては、「潔いわ、この映画」という感じ。

 

思ったより衝撃を受けて、Amazonのレビュー欄に勢いで感想を書き込んでしまうくらいには面白かったです。

 

※以下感想。ネタバレあり

 

セッションとは

 

 2015年度アカデミー賞®のダークホースが、3冠を獲得!!名門音大に入学したドラマーと伝説の鬼教師の狂気のレッスンの果ての衝撃のセッションとはーー!?[才能]VS[狂気] この衝撃に、息をのむ。(Amazonより)

 

「セッション」は、ドラマーと鬼教師の関係性をメインに描いた、文字通り二人のセッションの物語です。

 

主な登場人物の一人である鬼教師のフレッチャーは、厳しいを通り越して狂気とも呼べるレッスンで主人公を死の淵まで追い詰めます。

 

対するドラマーの若者はというと、常軌を逸したフレッチャーの指導にも負けず、決して自分の才能を疑いません。

 

その二人のセッションがどういう効果を生むのか。どんなラストが待ち受けているのか。結末はいかに。

 

みたいな話が「セッション」ですw

 

またシンプルな構成や俳優さんの鬼気迫る演技も魅力の一つで、アカデミー賞3冠を成し遂げた映画でもあります。

 

ドラムのカッコよさを見せるための構成が潔い

 

この映画を一言で表すなら「潔い」という言葉に尽きるのですが、何が潔いかって言うと、まずは全体的な物語の構成ね。

 

本作はラストシーンのドラムの演奏を見せるためだけに作られたとしか思えないような構成で、無駄なシーンが一切ない。

 

全てはラスト9分の為にあると言っても過言ではないくらいです。

 

ここまで削られると観終わった後に物足りなさを覚えてもよさそうなものですけど、無駄を排除したゆえに伝えたいメッセージがダイレクトに視聴者に届くので、シンプルにカッコいいとなる。

 

僕はその辺に対する作り手の意図に潔さを感じずにはいられませんでした。

 

で、作中で登場する鬼教官のフレッチャーや主人公の交通事故も、最終的にドラムの演奏をカッコよくするための舞台装置のようなものに過ぎないんですよね。

 

そんなシーンに対して、他の方のレビューを読むと「あの鬼教官はひどいやつだ」みたいな書き込みが結構あったんですけど、それはまんまと作り手に乗せられている証拠ですw

 

フレッチャーは視聴者がラストでカタルシスを感じるために用意されたキャラ(人格)でしかないし、交通事故にしても主人公を苦境に追い込むためだけのものでしかない。

 

それに加え作中では、ラストに至るまで主人公がちゃんと演奏しているシーンを流していないため、観ている方は音楽的にも満足感を得られない。

 

その諸々のストレスが最後のシーンで解放されるわけですからね。ラストで「気持ちいいー」となって当然でしょう。

 

 

観客の反応を見せない潔さ

 

もう一つ「潔いな」と感じたのは、ラストの演奏が終わっても観客のリアクションを一切見せなかったこと。

 

映画を作ったことも創作をしたこともないですけど、素人目にもあれは勇気がいっただろうなと理解できる終わらせ方でした。

 

いやよく分からないんですけど、あそこは普通に観客の拍手喝采で締めくくりにしたいところじゃないですかね。「ワ~パチパチ」ってなって終わった方が物語っぽい。

 

でもそれをしないカッコよさと、それをしなかったことによる効果があのシーンにはあって。

 

その効果とは簡単に言うと、人の記憶に残りやすいという効果です。

 

例えば、初対面の人間と会って意気投合して別れ際で、「今日はありがとうございました。また会いましょう」と言って別れるのと、何も言わずにさっさと帰られるのでは、その人の中でどっちが印象に残りやすいかみたいなのに似ている気がします。

 

イマイチなたとえだけどw

 

また文章においても、導入と締めくくりのコツとして、導入はとにかく引き込ませて、締めくくりはドラマティック(劇的・印象的)に終わらせろとよく言われているんですけど、映画も同様にもしかしたらそういうテクニックみたいなものがあって、人間の心理に訴えかけてくるのかもしれませんね。

 

とにかくあの終わり方は記憶に残りやすいし、潔い構成だなと感じました。

 

一つ言っておくと

 

この映画はジャズを取り扱った作品です。で、それに対して批判的なコメントも結構あって。

 

要は、「ジャズを知っている人間から見ればあれはジャズではない」というような批判です。

 

僕はジャズはおろか、音楽にすら精通していない人間なので、その辺のことについてはよく分かりませんが、あれはジャズをメインに魅せたい映画じゃないということだけは分かります。

 

「セッション」はジャズの良さを伝えるというよりかは、音楽のカッコよさを切り取った作品だと思うのです。

 

批判する人がいてもおかしくない作品ではありますが、そこには「のだめカンタービレ」を観て、「あれはクラシックをバカにしている」と言っているのと同じような印象を受けます。

 

作り手の意図を汲み取れていないような。

 

身もふたもないことを言ってしまえば、結局映画を制作する時点で商業ベースなのですから、最終的には観客が楽しめればいいということなんじゃないかなーと思いました。

 

だから、そういう意味では僕のように音楽に詳しくないという人にもお勧めできる映画だと言えるでしょう。

 

まとめ

 

ふと観た「セッション」、中々面白かったです。

 

僕は普段映画もあまり見ないし、音楽にも特段詳しいわけではないのですけど、そんな人間でも楽しめる作品だったということだけはお伝えしたいですね。

 

というわけで以上。

 

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www.underground-mogura.com