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これからは脳に訴求する時代!「アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?」読了

どうも、もぐらです。

私事で恐縮ですが、マーケティングが好きで最近よく関連書籍を読んでいます。

 

ただマーケティングを知れば知るほど、その裾野や概念があまりにも広すぎることに気づき、正直すべてを追うのは時間的に厳しくまた非効率だと思うようになりました。

非効率な理由としては新しいマーケティング手法が次々と登場、情報が常にアップデートされていくことにより過去の知識がすぐに陳腐化していくから。

  

そこで私はマーケティングの中でもニューロマーケティングと言われる脳科学とマーケティングをかけ合わせた新しい手法を中心に勉強しています。

ニューロマーケティングは人間の脳の働きを利用して商品を売ろうとする分野なので、比較的信頼性が高いだろうと考えたわけです。

 

また大げさを承知で言えば、脳に訴求できれば怖いものなしなんじゃないかと大いに可能性も感じている次第です。

 

前置きが長くなったのでそろそろ本題に入りますが、今回はそのニューロマーケティングに関する書籍「アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?」について解説していきたいと思います。

 

「アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?」とは

 消費者への聞き取りやモニタリング調査のマーケティングは終わった。いまや「脳」を見て無意識のニーズを探る「科学」の時代だ。商品開発の鉄則は、人々が自分でも気が付いていない「欲求」を呼び覚ますモノを提示すること。そのための、より確実で効率的な戦略がニューロマーケティングである。最新の脳科学が明らかにしたヒットの方程式を一斉公開。(Amazonより)

本書はニューロマーケティングを学べる1冊です。

 

内容は大きく3つに分かれていて、

 

1.ニューロマーケティングについての基本的なこと

2.ニューロマーケティングを利用した7つの販売法則

3.ニューロマーケティングの未来

 

という構成のもと書き記されています。

 

1と3も興味深い内容でしたが、特に実用性があるのが2の部分で、この法則をうまく活用すれば消費者に有効な訴求を行えるようになる可能性がグッと上がる気がします。

また筆者の説明も平易で、有名商品の参考例も程よく出てくるため、難解そうなイメージのある脳の話でも最後まで興味を持ったまま読み進められると思います。

 

ちなみにタイトルにある「アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?」という問いかけに対する答えは、実際に本書を読んでみてご自身でお確かめください。

ネタバレすると面白くないですからね(^^)/

 

ニューロマーケティング7つの法則とは?

本書に興味を持った方が1番知りたいのはここだと思うので、この項では7つの法則の中からいくつか厳選し、簡単に紹介していきますね。

 

法則①「珍しさ」と「懐かしさ」のバランスを取る

まず商品を販売する際はその商品のことを気に入ってもらわなければいけません。でなければリピーターは増やせませんし、新規顧客の獲得も難しい。

 

そのためには商品を好きになってもらう工夫が必要で、そこで役に立つのが法則①というわけです。

 

人間には「新しいものが好き」という心理(新奇性)と、「慣れ親しんだものが好き」という相反した心理(親近性)があります。

心理的な実験結果によると、この2つがバランスよく混じり合った時、人間の「好き」と感じる度合いが頂点になるそうで、このバランスをうまく取れた商品ほど成功しやすくなります。

つまり、親近性を残しつつもその中で出来る限り新奇性を出すのが好きをハックするうえで最上の策になるということ。

 

今まで誰も見たことがないような新奇性が極端に高すぎる新型iPhoneと、前作の面影を残しつつ随所で新奇性を感じさせる新型iPhoneだと、後者の方が人間の好きという気持ちをより感じさせられるということです。

 

法則②「期待」を裏切る

顧客の期待を裏切るサプライズも法則の1つ。

サプライズには人間のモチベーションを上げる効果があります。

 

これも脳の働きで説明できるのですが、長くなるし眠くなるのでここでは割愛(笑)

 

私たちは弱者が強者を打ち倒す「番狂わせ」や「思いがけないプレゼント」が好き。

これもサプライズの1種で、人はいい意味で期待を裏切られると意欲が高まるように出来ています。

テレビ番組も常にサプライズを意識して作られているそうですが、それはきっと視聴者の期待をいい意味で裏切ることで、テレビ局に対する意欲を高めさせる目的があるのでしょう。

 

法則⑥良い気分にさせる

モノを買うと当たり前ですがお金を失うリスクがあります。

買う方としては買ったモノにはその代価以上の価値があったと思いたいですよね。

その気持ちを満たすために、というか悪く言えばそのモノが価値あるものだと思い込ませるために売り手はどうすればいいのでしょう?

 

その方法が法則⑥にある良い気分にさせるです。

良い気分にさせる方法は、店頭販売などを行っているなら売り場の雰囲気をよくするのがいいそう。

売り場の雰囲気は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚などへの働きかけで演出されます。

 

ラスベガスのカジノでは週末にとある香り(非公開)を漂わせるところがあり、漂わせなかった週末と比べて約30%売り上げが高かったのだそうです。

これは分かりやすく嗅覚に訴えかけたマーケティングですよね。

 

人は良い気分になるとお金を使うことが分かっています。良い気分になると投機的になり、財布のひもが緩んでしまう。

言い換えると買うか買わないかは気分次第ということになるので、商品を訴求するなら出来るだけ顧客を良い気分にさせてからの方がいい、ってことになりそうですね。

 

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本書ではこの他に4つの法則が紹介されています。

中には頻出度の高い法則もありますが、目から鱗の法則にも出会えます。

 

マーケティングの新たな可能性を感じさせられる1冊だった

というわけでまとめ。

 

私自身偉そうに言えるほどマーケティングに精通しているわけではありませんが(というか全然)、それでも見知った範囲でお話しすると、本書の内容やニューロマーケティングは今後求められる販売促進の有効な手法になり得るのではないかなと思いました。

 

冒頭でも似たようなことを書きましたが、もし本当に人間の脳に直接訴求することが出来れば、訴求された側は自分の意思でそれに抗うことが不可能になります

私はここに惹かれましたし、新たな可能性を感じてもいます。

こう書くと「そんなの意識してれば何とでもなるでしょ」と思われるかもしれませんね。

 

ただ本書でも指摘されているように、そもそも人間に自由意思などないのではないかという意見もあって、、、

だとすれば意思の有無はほとんど関係なく、脳に語りかけた方が直接的で確実だとは言えないでしょうか。

もちろん悪用は論外ですが、コミュニケーションを有効に作用させるという観点から見れば非常に面白いなと。

 

とにかく従来のゴリ押しでモノを売り歩く時代はとっくに終わり、新たな手法が必要です。

その可能性の1つとしてニューロマーケティングというものを知っておいても損はないでしょう。

 

本書はニューロマーケティングの入門書としても活用できるくらい分かりやすいのでおすすめですよ(^^)/

 

 

以上。駄文失礼。